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6月が見ごろを向かえる「ホタル」の話

「夏の風物詩」
というキーワードから、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
かき氷、盆踊り、カブトムシ、高校野球、花火、海….などなど
皆さんそれぞれ夏のイメージや思い出は様々かと思いますが
今回はその中でも、「ホタル」に注目したいと思います。
家のすぐ近くでホタルが見られる環境に住んでいる方
車を何時間も走らせないとホタルが見られない環境に住んでいる方など
住んでいる地域によってホタルとの距離感は様々かと思います
しかし、歴史を少しふりかえってみると、日本人とホタルの距離は近く
そして長い長い歴史をもっていることがわかります。
最近なにかと話題である、日本最古の和歌集「万葉集」には
既にホタルに関する歌が含まれているそうです。
なんと、1200年以上も前から、日本人とホタルにはつながりがあったことがわかります。
その後、枕草子、伊勢物語、源氏物語など
有名な多くの作品にホタルが頻繁に登場するようになります。
突然ですが、ここで一句ご紹介します。
”物おもへば沢の蛍も我が身より  あくがれいづる魂かとぞみる”
これは「後拾遺集」より
和泉式部が詠んだ歌です。
恋多き女として有名な和泉式部は
ひたすら、夫が自分の家を訪問してくれるのを
今か今かと待っていました。
そんなある日、貴船神社を訪れた和泉式部が
「あーあの人はいつ来てくれるのだろう…早く会いたいなあ、寂しいなあ」と
思い悩んでいたそのとき、ホタルが自分の目の前を飛んでいきました。
すると、和泉式部は
「ああ、この光は、あの人に会いたい気持ちが強すぎて、自分の魂から飛び出てきた光なんじゃないかなー」
と眺めていた、というなんとも儚い一コマを表現した歌だそうです。
昔の人は、成虫になってから1~2週間と言われるホタルの儚い命と
あの美しい光に、自分の淡い恋心を重ね合わせていたのでしょう。
夏の夜の風物詩である、あの小さな光を
1200年以上前に生きていた誰かも、様々な思いをもって見ていたことを考えるだけで
今年の夏にみるホタルの光は、より一層儚く、そして美しく見えるかもしれません。

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